My よすが雑記

日々少々

散歩

 

こんばんは。海です。

 

台風が過ぎ、残り風かこちらは肌寒くパーカーを羽織るくらいには

秋の訪れを微かに感じています。

 

今回は、何を書くわけでもなく今朝の散歩でのことを書き留めようと思います。

 

本日、9月20日。昨夜は2時過ぎごろ眠りについたはずだったが午前7時頃起床。

このところ、遅寝早起きが続いている。

 

二度寝を試みるも失敗。むくりとシーツから這い出し

寝ぼけた頭で最初に浮かんできたのは「ゴミ出し今日だったなあ」

 

スリープ状態の意識で、ゴミをまとめ外のゴミ収集場へ向かう。

 

外に出て次に浮かんできたのは、「今から散歩しようかなあ」

台風後の少し強いくらいの吹き返しの風と、電源を入れたばかりのこたつのような

しんとした気温と太陽が心地よくて、

ゴミを捨てると寝巻のまま、イヤホンとスマホを片手にほぼ無意識で

家を出ていた。

 

思えば、夜に散歩をすることがあっても、早朝?にはしたことがなかったかもしれない。

2か月前、異動でこの地に越してきてから、近隣を散策したことがなく

とても、とてもワクワクしていた。

折坂悠太を聴きながら、家を出て右に曲がる。

 

住むアパートの裏の墓地に手塚家、と書かれたお墓が沢山並んでいた。

遅い時間帯しか通ったことがなく、なんとなく気味悪がっていたので

まじまじとお墓を見ている姿は、滑稽に見えたと思う。

細い路地を進むと新旧ごちゃまぜな住宅、アパートが並ぶ。家族か他人かわからない

無地のTシャツを着た母親とその祖母?がゴミを捨てに行く途中のようだった。

その後ろを学ラン姿で自転車を漕ぐ高校生が追いかける。

顔も合わせないしおそらく他人だろう。

 

舗装されていない道を進むと、山岳の上をバルーンが飛んでいるイラストが描かれた

シャッターのある、民家が左手に見えた。その先に光に晒された稲田があり

トンボとやぶ蚊と台風でなぎ倒された稲を眺めていた。なぎ倒された稲は

時間が経てばまた立ち上がるのだろうか。

中にはそこだけ切り取られたような、台風の影響を一ミリも感じさせない稲田もあり

物凄く不思議だった。

光の加減で仄かにえんじ色に見える稲を見ていたら、

なんだかセンチメンタルになりそうだったので、田んぼと用水路のあぜ道を

急いで進んだ。

空は、嫌みかというくらい澄んだ青だった。制服姿の近隣の中学生が自転車を漕いで

登校している。しばらく立ち止まって見ていたが、徒歩の生徒はおらず

全員自転車だった。男子生徒の数人は暑いのか、格好いいからか

ヘルメットをしていない人もいた。たしかに、高校生になって初めて

ノーヘルをしたとき、なんだか大人に近づいた気がした。

遠くの曲がり角で、幼稚園の送迎バスが停まった。中には園児は誰もおらず

先生らしき人と運転手の二人だけだった。

送迎ポイントだろうと眺めていると、私の後ろから「急いで急いで」と

両手に黄の帽子をした兄弟と思しき二人と手を繋いだ、母親の姿が見えた。

バスの残り数メートルのところで片方が盛大にこけていたが泣かなかった。たくましい。

二人を見送ると、母親を残してバスは消えていった。母親はまた速足で自宅へと

戻っていった。私は保育園が近かったので、バスではなく徒歩だったと思うが

保育園まで親と一緒に行っていたか全く思い出せなかった。

キンコンカンと私の知っているどこか冷たい音色ではなく

無駄に温かみのあるチャイムが鳴る。鈴虫が鳴いている。

車とすれ違う。ついさっき見たことがある人だと感じたが思い出せなかった。

路地幅が広くなり、また住宅街へと入っていく。真っ赤な彼岸花が咲いている。

昔、母が好きだと聞き、見つける度に持って帰ったことをふと思い出した。

今も、母は彼岸花が好きだろうか。今見ると、なんだか毒々しく

あまり好きだとは思わなかった。

 

まだ青い柿と唐辛子がなっている。川から音がする。覗き込むと

苔というか泥というか、肥大したカオナシから出る

ヘドロのようなものを纏った鯉がいた。路地を進む。

 

住宅街の一角にいかにも!というようなラブホテルが建っていた。

あまりにも住宅街に馴染んでおり、自然な不自然さに変な気持ちになった。

 

まっすぐ行けばすぐ大通りに出ると分かったので、遠回りして帰ることにした。

再び、田んぼ沿いを歩く。風が水面を揺らしている。

木々の一部は赤く色づき始め、秋が近いことを教えていた。

鯉が水を叩く音が聞こえる。音の方に目をやると、頭だけ水面から出していた

カメと目が合った。瞬間、水の闇に消えていった。

 

季節の変わり目が好きな友人Tがいる。肌寒さで彼のことがよぎる。

携帯を開くと「普通に寒くてマジテンションあがる」と7分前に

インスタのストーリーを更新していてなんだか幸せな気持ちになった。

私も応えるかのように

「肌寒くなってテンションあがる気持ちに名前がないなら、友人T現象と

名付けたい」とストーリーを更新した。そのあと、名前があるかどうかが

気になり調べている途中で充電が切れてしまった。

 

既に、2時間くらい経っていたので自宅の方へ

新築が向かい合う路地を進む。新築綺麗だなあ、と思う反面

どこか人工的な冷たさを感じた。

途中大きなカメが水面に浮かんでいた。全く微動だにせず

死んでいるらしかった。幼い頃、小さなミドリガメを飼ったことがあったが

どんな最後だったか、名前すら思い出せない。

新築の玄関隣にあるデッキは何で人目に付く表に作るのだろう、日当たりがいいから

なのだろうが、もし取り付けるのであれば、裏の人目につかないところがいいなあ。

さっきすれ違った既視感のある車の人は、

ゴミ出しに出ていた無地Tの母と祖母だったか、家族だったのか。

 

今にも消えそうなどうでもいい思考を巡らせながら、

なぜか稲田の隆起したあぜ道を歩いていた。

もう肌寒さはなく、羽織っていたパーカーを脱いだ。

ほんのり体が火照り始めていた。

 

自宅付近、細い路地を隔てて片側が築50年以上はある民家、

片側が新築だけが並ぶという、悪意的な、意図的に分けられたかのような

通りがある。何度も通った道だが、全く気付かなかった。

ひょっとすると、路地で区切られて階級分けされているのかも、とか

両サイドめちゃくちゃいがみ合っているとか、

イギリスの階級地区のようなあるわけもないことを考え

少し怖くなり小走りで帰宅し、2時間強の散歩は幕を閉じた。

 

 

何が言いたいわけでもなく、ただただここに書き留めておきたかったので

どうか味っ気のない文章にご勘弁ください(笑)

 

秋が近いですね。嬉しいです。そう思ったあなた。それは友人T現象です(笑)

もし名前があればぜひ教えてください。

 

それでは、また。